給水装置工事主任技術者 過去問
平成29年度(2017年)
問26 (給水装置の構造及び性能 問26)

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問題

給水装置工事主任技術者試験 平成29年度(2017年) 問26(給水装置の構造及び性能 問26) (訂正依頼・報告はこちら) (新しいタブで開く)

金属管の侵食に関する次の記述の正誤の組み合わせのうち、適当なものはどれか。

ア  埋設された金属管が異種金属の管や継手、ボルト等と接触していると、自然電位の低い金属と自然電位の高い金属との間に電池が形成され、自然電位の高い金属が侵食される。
イ  自然侵食にはマクロセル及びミクロセルがあり、マクロセル侵食とは、腐食性の高い土壌、バクテリアによる侵食をいう。
ウ  金属管が鉄道、変電所等に近接して埋設されている場合に、漏洩電流による電気分解作用により侵食を受ける。このとき、電流が金属管から流出する部分に侵食が起きる。
エ  地中に埋設した鋼管が部分的にコンクリートと接触している場合、アルカリ性のコンクリートに接している部分の電位が、コンクリートと接触していない部分より高くなって腐食電池が形成され、コンクリートと接触していない部分が侵食される。

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  • ( ア )正( イ )誤( ウ )正( エ )誤
  • ( ア )正( イ )正( ウ )誤( エ )誤
  • ( ア )誤( イ )正( ウ )誤( エ )正
  • ( ア )誤( イ )誤( ウ )正( エ )正

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この過去問の解説 (3件)

01

アの「自然電位の高い金属」の記述は誤りで、電池のメカニズムからは当然ですが「自然電位の低い金属」の表現が正しくなります。

イも不適切な表現で、マクロセル侵食とは、バクテリアによる侵食ではありません。
マクロセル侵食の発生メカニズムは以下のようになります。
弁室貫通部の状況では、コンクリート(アルカリ雰囲気)中の鋼管の腐食電位は約-0.25V(飽和硫酸銅電極基準)であるのに対し、 土壌中の鋼管の腐食電位は約-0.65 Vであり、両者間に電位差が発生します。 損傷(埋設土壌中の鋼管の外面塗覆装)や 土壌との導通(電気的接触)においては、この電位差が駆動力となり、コンクリート中の鋼管(カソード)と土壌中の鋼管(アノード)の間で電池が形成されて、土壌中の鋼管が腐食します。

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02

適当なのは、「(ア)誤(イ)誤(ウ)正(エ)正」の組み合わせです。
この問題は、金属管の侵食について、どの金属が侵食されるのか、マクロセルとミクロセルの違いは何か、漏えい電流でどこが傷むのか、コンクリートに接したときにどこが侵食されるのかを正しく区別できるかを問う問題です。水道維持管理指針では、異種金属接触腐食では自然電位の低い金属が腐食し、マクロセル腐食は異種環境での電池作用による腐食、腐食性の高い土壌やバクテリアによるものはミクロセル腐食と説明されています。さらに、漏えい電流では電流が金属管から流出する部分に腐食が起き、コンクリートと部分的に接触した鋼管ではコンクリートと接触していない側が腐食するとされています。

選択肢4. ( ア )誤( イ )誤( ウ )正( エ )正

ア 「埋設された金属管が異種金属の管や継手、ボルト等と接触していると、自然電位の低い金属と自然電位の高い金属との間に電池が形成され、自然電位の高い金属が侵食される。」

この記述は誤りです。
異種金属が接触すると、自然電位の低い金属と高い金属の間に電池ができますが、侵食されるのは自然電位の高い金属ではなく、自然電位の低い金属です。つまり、問題文は侵食される側を逆に書いています。

 

イ 「自然侵食にはマクロセル及びミクロセルがあり、マクロセル侵食とは、腐食性の高い土壌、バクテリアによる侵食をいう。」

この記述は誤りです。
マクロセル腐食とは、金属材質、土質、乾湿、通気性、pH、溶解成分の違いなど、異なる環境による電池作用で起こる腐食です。代表例は、異種金属接触腐食、コンクリート・土壌系腐食、通気差腐食です。これに対して、腐食性の高い土壌やバクテリアによる侵食はミクロセル腐食です。問題文はここを取り違えています。

 

ウ 「金属管が鉄道、変電所等に近接して埋設されている場合に、漏洩電流による電気分解作用により侵食を受ける。このとき、電流が金属管から流出する部分に侵食が起きる。」

この記述は正しいです。
水道維持管理指針では、直流電気鉄道の軌道近くなどで漏えい電流の影響を受けると、電流が金属管に入り、再び外へ出ていきます。このとき、電流が金属管から流出する部分に腐食が起きるとされています。ですから、この記述は適切です。

 

エ 「地中に埋設した鋼管が部分的にコンクリートと接触している場合、アルカリ性のコンクリートに接している部分の電位が、コンクリートと接触していない部分より高くなって腐食電池が形成され、コンクリートと接触していない部分が侵食される。」

この記述は正しいです。
コンクリートと土壌が混ざるような環境では、コンクリートに接している部分のほうが貴な状態になり、そうでない部分との間で腐食電池ができます。その結果、コンクリートと接触していない部分が腐食するとされています。したがって、この記述は適切です。

まとめ

覚えておくポイントは、異種金属では自然電位の低い金属が侵食されること、マクロセル腐食は異種環境による腐食で、腐食性の高い土壌やバクテリアはミクロセル腐食であることです。さらに、漏えい電流では電流が流出する部分が傷み、コンクリートと部分接触した鋼管ではコンクリートに接していない部分が侵食されることも大切です。

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03

金属管の侵食に関する問題です。

 

ア  誤

「埋設された金属管が異種金属の管や継手、ボルト等と接触していると、自然電位の低い金属と自然電位の高い金属との間に電池が形成され、自然電位の 低い 高い 金属が侵食される。」

 

埋設金属管が、異なった金属管や継手やボルトなどと接触していると、「卑な金属」(自然電位が低い金属)と「貴な金属」(自然電位が高い金属)との間で電池が形成され、「卑な金属」が侵食されます。

異なった二つの金属の電位差が大きいほど、卑な金属に比べ貴な金属の表面積が非常に大きいほど、侵食が促進されます。

 

イ  誤

「自然侵食にはマクロセル及びミクロセルがあり、ミクロセル侵食 マクロセル侵食 とは、腐食性の高い土壌、バクテリアによる侵食をいう。」

 

自然侵食には、マクロセル侵食と、ミクロセル侵食があります。

 

マクロセル侵食は、異種金属による侵食、異種土壌による通気差で起こる侵食、コンクリートと土壌間の電位差で起こる侵食があります。

 

ミクロセル侵食は、金属が、腐食性の高い土壌やバクテリアによって起こる侵食です。

土壌と接している金属は、表面状態・構成・環境などのわずかな違いで、微視的電位差が多数形成され、比較的おだやかで、均一的な腐食を引き起こします。

 

ウ  正

「金属管が鉄道、変電所等に近接して埋設されている場合に、漏洩電流による電気分解作用により侵食を受ける。このとき、電流が金属管から流出する部分に侵食が起きる。」

 

金属管が、鉄道や変電所などに接近して埋設されているときに、漏洩電流で電気分解作用が起こり侵食を受け、電流が金属管から流出する部分に侵食が起き、これが漏洩電流による電食です。

 

また、他の埋設金属体に外部電源装置や排流器による電気防食を行ったとき、これに近接する他の埋設金属体に、防食電流の一部が流入し、流出する所で侵食を起こすことがあり、これが干渉による電食です。

 

エ  正

「地中に埋設した鋼管が部分的にコンクリートと接触している場合、アルカリ性のコンクリートに接している部分の電位が、コンクリートと接触していない部分より高くなって腐食電池が形成され、コンクリートと接触していない部分が侵食される。」

 

地中埋設の鋼管が、部分的にコンクリートと接触しているとき、アルカリ性のコンクリートに接している部分の電位が、接していない部分より高くなり、腐食電池が形成され、土壌部分の金属部が侵食されます。

選択肢4. ( ア )誤( イ )誤( ウ )正( エ )正

正

冒頭解説の通り、ア 誤・イ 誤・ウ 正・エ 正 となります。

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