給水装置工事主任技術者 過去問
令和2年度(2020年)
問40 (給水装置の概要 問41)

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 問40(給水装置の概要 問41) (訂正依頼・報告はこちら)

給水管に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • 硬質ポリ塩化ビニル管は、耐食性、特に耐電食性に優れ、他の樹脂管に比べると引張降伏強さが大きい。
  • ポリブテン管は、有機溶剤、ガソリン、灯油等に接すると、管に浸透し、管の軟化・劣化や水質事故を起こすことがあるので、これらの物質と接触させないよう注意が必要である。
  • 耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。
  • ステンレス鋼鋼管は、鋼管に比べると特に耐食性が優れている。また、薄肉だが強度的に優れ、軽量化しているので取扱いが容易である。
  • 架橋ポリエチレン管は、長尺物のため、中間での接続が不要になり、施工も容易である。その特性から、給水・給湯の住宅の屋内配管で使用されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は「不適当なもの」を選択する問題です。

選択肢1. 硬質ポリ塩化ビニル管は、耐食性、特に耐電食性に優れ、他の樹脂管に比べると引張降伏強さが大きい。

この記述は「正しい」です。

塩化ビニル管は、ポリ塩化ビニルで出来た配管素材のことです。鉄製の管に比べて軽く、腐食しにくいという特徴があります。これは、塩化ビニル管の吸水率が低いためで、雨による経年劣化が起きにくいため、耐食性があると言われています。

電食作用とは、電気化学的な作用により、金属が腐食することです。この塩化ビニル管は電気絶縁性に優れており、高電圧にも耐えうる素材と言えます。

引張降伏は、「引張強度」と「降伏強度」のことで、「引張強度」はその材料が、どれくらい壊れにくいか、材料が耐えうる最大の力が何かを表したもので、「降伏強度」はその材料が壊れる前のひずんで形がもう元には戻らないところを表したものです。

選択肢2. ポリブテン管は、有機溶剤、ガソリン、灯油等に接すると、管に浸透し、管の軟化・劣化や水質事故を起こすことがあるので、これらの物質と接触させないよう注意が必要である。

この記述は「正しい」です。

ポリブテン管は、ポリオレフィン系樹脂ポリブテンで作られた合成樹脂管のことで、側鎖にエチル基を持っています。ポリオレフィンとは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのように、炭素と水素で構成されていて、燃やすと水と二酸化炭素になる樹脂の総称のことです。

ポリブテン管は、外部からの力に対して高い耐性を持つ一方、油や有機溶剤に弱いことがデメリットとして挙げられます。ですので、このようなものと一緒に保管をしてはいけません。

選択肢3. 耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。

この記述が「不適当なもの」です。

耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、HI管(HIVP管)と呼ばれています。VP管(硬質塩化ビニル管)よりも衝撃に強くしたものです。VP管にゴム特性を有するものを混ぜて粘り強くされており、工事の際、外部衝撃により破損する恐れがある所や寒冷地で使用され、地震にも強い耐性があります。可撓性(かとうせい)があり、柔らかく、曲げることができるのも特徴の一つです。

しかし、HI管は紫外線により劣化してしまい、耐衝撃性が低下する可能性がありますので、記述は間違っています。

選択肢4. ステンレス鋼鋼管は、鋼管に比べると特に耐食性が優れている。また、薄肉だが強度的に優れ、軽量化しているので取扱いが容易である。

この記述は「正しい」です。

ステンレス鋼鋼管(こうこうかん)は、ステンレス鋼という12%以上のクロムを含む鉄合金で作られた鋼管のことです。一方鋼管は鋼鉄製の管のことで、一般的に材質は鉄と炭素の合金です。

ステンレス鋼鋼管はサビにくいという特徴があり、これは含まれているクロムの原子が空気中の酸素や水と反応し、薄い膜を作って酸化を防いでいるからです。この膜が金属を保護してくれるので、耐食性に優れています。

鋼管が薄肉(うすにく)とは、管の厚さが薄いことをいいます。これにより軽量化しています。その分強度はどうかと言われると、強度も優れていて、環境によっては半永久的な耐久性があると言われています。

選択肢5. 架橋ポリエチレン管は、長尺物のため、中間での接続が不要になり、施工も容易である。その特性から、給水・給湯の住宅の屋内配管で使用されている。

この記述は「正しい」です。

架橋ポリエチレン管とは、ポリエチレン管の一種ではありますが、ポリエチレンとは全く違うものです。ポリエチレン管の弱点であった耐熱性を改良するために、ポリエチレンの樹脂に処理を施し、高分子の鎖を網のように繋がった構造にしたものが、架橋ポリエチレン管です。こうすることで熱に対して強くなりました。そのおかげで、給湯管としても利用できるようになりました。

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02

給水管に関する問題です。

選択肢1. 硬質ポリ塩化ビニル管は、耐食性、特に耐電食性に優れ、他の樹脂管に比べると引張降伏強さが大きい。

問題文の内容通りです

 

硬質ポリ塩化ビニル管は、引っ張り強さが比較的大きく、耐食性のうち耐電食性に特に優れ、比重が小さく、内面が平滑のため管内にスケール付着が少なくなります。

 

しかし、直射日光による劣化・温度による伸縮性があり、配管に注意を要します。

また、難燃性ですが熱や衝撃に弱く、凍結の際に破損しやすく、特に、管に傷がつくと破損しやすく、外傷を受けないよう取扱いに注意し、芳香族化合物などの管材質に悪影響を与える物質と接触しないようにします。

選択肢2. ポリブテン管は、有機溶剤、ガソリン、灯油等に接すると、管に浸透し、管の軟化・劣化や水質事故を起こすことがあるので、これらの物質と接触させないよう注意が必要である。

問題文の内容通りです

 

ポリプテン管は、高温時でも高い強度があり、金属管によく起こる侵食も起きないため、温水用配管に適していますが、熱による膨張破裂のおそれがあり、使用圧力によっては、減圧弁の設置をするなどの注意が必要です。

また、ポリブテン管を含む合成樹脂管は、有機溶剤等に侵されやすく、鉱油(ガソリン、灯油等)・有機溶剤(塗料、シンナー等)により侵されるおそれがある箇所では、使用に注意が必要です。

選択肢3. 耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。

耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たると耐衝撃強度が低下する

 

硬質ポリ塩化ビニル管の規格には、「水道用硬質ポリ塩化ビニル管」(VP)と「耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管」(HIVP)があります。

HIVPは、VP管に耐衝撃性改良剤を加え、硬質ポリ塩化ビニル管の衝撃強度を高めるように改良され、割れ難くい管ですが、硬質ポリ塩化ビニル管と同様に、直射日光による耐衝撃強度の劣化が避けられません。

選択肢4. ステンレス鋼鋼管は、鋼管に比べると特に耐食性が優れている。また、薄肉だが強度的に優れ、軽量化しているので取扱いが容易である。

問題文の内容通りです

 

ステンレス鋼鋼管は、炭素鋼に比べ、耐食性が優れ、汚れにくく強度が高いという優位性があり、軽量化しているため、取り扱いが容易です。

選択肢5. 架橋ポリエチレン管は、長尺物のため、中間での接続が不要になり、施工も容易である。その特性から、給水・給湯の住宅の屋内配管で使用されている。

問題文の内容通りです

 

架橋ポリエチレン管は、耐熱性と耐食性に優れ、軽量で柔軟性に富んでいて、管内にスケール付着が少なく、流体抵抗が小さく、耐寒性に優れていて、給水・給湯配管のほか、寒冷地で使用するのに適しています。

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03

不適当なのは、「耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。」という記述です。

この問題は、給水管それぞれの材質の特徴を正しく覚えているかを問うものです。ポイントは、耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は外力に強いように改良された管ではあるものの、直射日光の影響をまったく受けないわけではないという点です。ほかの記述は、各給水管の一般的な特徴を正しく表しています。

選択肢1. 硬質ポリ塩化ビニル管は、耐食性、特に耐電食性に優れ、他の樹脂管に比べると引張降伏強さが大きい。

この選択肢は適切です。

硬質ポリ塩化ビニル管は、さびにくく、電気による腐食にも強い管です。さらに、樹脂管の中では強さも比較的大きいので、給水管として広く使われています。内容として自然で、誤りはありません。

「ポリブテン管は、有機溶剤、ガソリン、灯油等に接すると、管に浸透し、管の軟化・劣化や水質事故を起こすことがあるので、これらの物質と接触させないよう注意が必要である。」

選択肢2. ポリブテン管は、有機溶剤、ガソリン、灯油等に接すると、管に浸透し、管の軟化・劣化や水質事故を起こすことがあるので、これらの物質と接触させないよう注意が必要である。

この選択肢は適切です。

ポリブテン管は使いやすい管ですが、ガソリンや灯油のような物質に弱い面があります。こうした物質が管にしみこむと、管が傷んだり、水ににおいなどの問題が出たりすることがあります。ですので、接触させないよう注意が必要です。

「耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。」

選択肢3. 耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は、硬質ポリ塩化ビニル管を外力がかかりやすい屋外配管用に改良したものであり、長期間直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下しない。

この選択肢は不適当です。

前半の、屋外配管用に改良した管であるという説明はよいのですが、後半が誤りです。耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管でも、長い間直射日光に当たれば、少しずつ性質が変わり、衝撃に対する強さが落ちることがあります。
つまり、「低下しない」と言い切っている部分が間違いです。

選択肢4. ステンレス鋼鋼管は、鋼管に比べると特に耐食性が優れている。また、薄肉だが強度的に優れ、軽量化しているので取扱いが容易である。

この選択肢は適切です。

ステンレス鋼鋼管は、普通の鋼管よりもさびに強いという大きな長所があります。また、肉厚がうすくても必要な強さを保てるので、比較的軽く、運んだり取り付けたりしやすい管です。この記述は管の特徴を正しく表しています。

選択肢5. 架橋ポリエチレン管は、長尺物のため、中間での接続が不要になり、施工も容易である。その特性から、給水・給湯の住宅の屋内配管で使用されている。

この選択肢は適切です。

架橋ポリエチレン管は、長い状態で使えるので、途中のつなぎ目を減らしやすい管です。つなぎ目が少ないと、水漏れの心配も減り、工事もしやすくなります。そのため、住宅の給水や給湯の屋内配管でよく使われています。

まとめ

覚えておくポイントは、管の名前だけでなく、どんな弱点があるかまでセットで覚えることです。

今回の問題では、


硬質ポリ塩化ビニル管は腐食に強い
ポリブテン管は有機溶剤などに注意が必要
ステンレス鋼鋼管はさびに強くて扱いやすい
架橋ポリエチレン管は長尺で施工しやすい
 

という点は正しい内容です。

一方で、耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管でも、直射日光の影響をまったく受けないわけではないという点が大切です。
このように、「強い」「改良されている」=「まったく劣化しない」ではないと考えると、同じ形の問題で迷いにくくなります。

 

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